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廃プラスチックス連続分解油化プロセス

 代表理事の藤元は、北九州市立大学教授時代(2002年頃)より、廃プラスチックス(特に一般系)を石油精製で用いられる流動接触分解(FCC)プロセスの廃触媒を用いて連続的に油化するプロセスを開発してきた。触媒を用いると、一般の分解法と比較してはるかに低温(~400℃)で、ほとんどの市販プラスチックス、あるいはそれらの混合物の油化(ナフサ、灯・軽油留分)が可能である。また、触媒系を工夫することによって塩素を含有するプラスチックスが数%混入した原料を用いても、塩素をほとんど含有しない分解油が得られる。さらに、シュレッダーダストなど夾雑物の多い廃プラスチックからも高品質の分解油が得られる。

このような特徴を持つ分解プロセスであるため、国内、国際特許が成立している(特許第5305400号)。平成16年より実験室プラント、ベンチプラントを経由して平成21年度に北九州エコタウンで処理能力80kg/hの実証プラントを成功裏に運転した(経済産業省 プラスチック高度原料化技術開発事業)(図1,2参照)。実証試験では、一般系廃プラスチックス、MR用原料(PP・PEペレット)、自動車シュレッダーダスト、廃家電プラスチックス等も容易に油化し得ることを証明している。

この技術は環境エネルギー㈱にライセンスされ、福岡県大木町で実用プラントが稼働中である。2018年10月1日より、本プロセスの高度化(適用原料の拡大、目的生成物の選択性向上、失活触媒のオンサイト再生など)を目指して開発をスタートしている。


図1:実証プラントの全景

図2:実証プラント油化装置の外観